用語解説2026.07.31 更新

空亡(天中殺)とは — 実り待ちの時期の過ごし方

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空亡(くうぼう)は、「天中殺」とも呼ばれる期間のことです。名前の物々しさから、何をしても実らない魔の時期のように語られることがあります。けれど求め方をたどると、その正体は60干支の並びで余る2つの支という、ずいぶん機械的なものです。この記事では、余りが生まれる仕組みから、その時期の過ごし方までを順にたどります。

名前の印象と、実際

「今年は天中殺だから」と言われて、この言葉を調べにきた方も多いと思います。あるいは振り返ってみて、動いた量のわりに手応えの薄い2年に思い当たることはないでしょうか。話が途中で止まった、始めたことが軌道に乗るまで妙に時間がかかった、そんな覚えです。四柱推命では、こうした時期のひとつを空亡と読みます。

ただ、名前の印象と実際の読みには距離があります。という語が指しているのは「その支に乗るが無い」という状態で、天の干が空くところから天中殺という別名がつきました。空いているのは干のほうであって、あなたの一年ではありません。推命ノートはこの期間を「実り待ち」の時期と読みます。

伝統的に注意を促されてきた期間であることは、隠しません。空亡を「凶」の一語で片づける本もありますし、逆に、そこへ触れないまま安心だけを並べるのも誠実ではないでしょう。分類は素直に受け取り、そのうえで扱い方まで書く。それが推命ノートの書き方です。なぜこわがらなくてよいのかは、求め方を見ると腑に落ちます。

求め方 — 60干支と「余る2支」

空亡は、生まれた日の干支 — 日柱から定まります。骨組みは、10と12という数のずれだけです。は甲から癸までの10、は子から亥までの12。この2つを頭から順に組んでいくと、甲子・乙丑・丙寅…と進み、10組で干をひと回り使い切ります。ところが支は12あるので、干がひと回りしても支が2つ残るのです。

甲子から始まる10日で確かめてみましょう。甲子・乙丑・丙寅・丁卯・戊辰・己巳・庚午・辛未・壬申・癸酉で、ちょうど10組。ここで干は尽きます。余るのは戌と亥。この2支には組む相手の干がなく、甲子で始まるこの10日の並び — 旬と呼びます — にとっての空亡になります。60干支は、この10日ひと組が6つ連なったものです。

干支甲子乙丑丙寅丁卯戊辰己巳庚午辛未壬申癸酉戌亥甲子旬の10日 — 干はここでひと回り余る2支 = 空亡甲子・乙丑・丙寅 … 癸酉
甲子から始まる10日(甲子旬)。10日で干をひと回り使い切り、支だけが2つ残ります — この余りがです。残りの5つの旬でも、同じ仕組みで2支ずつ余ります。

6つの旬と、そこで余る2支の対応は次のとおりです。ご自分の日柱がどの旬に入るかを探してみてください。

甲子旬きのえね
甲子から癸酉までの10日。余る戌と亥が空亡です。
甲戌旬きのえいぬ
甲戌から癸未までの10日。余る申と酉が空亡です。
甲申旬きのえさる
甲申から癸巳までの10日。余る午と未が空亡です。
甲午旬きのえうま
甲午から癸卯までの10日。余る辰と巳が空亡です。
甲辰旬きのえたつ
甲辰から癸丑までの10日。余る寅と卯が空亡です。
甲寅旬きのえとら
甲寅から癸亥までの10日。余る子と丑が空亡です。

日柱が乙丑なら甲子旬なので空亡は戌と亥、日柱が壬午なら甲戌旬に入るので空亡は申と酉。日柱の干支ひとつで決まるため、生まれた時刻がわからない方でも、日付から求められます。年柱を起点に見る流派もありますが、推命ノートは日柱を基準に表示しています。

たとえば

空亡が寅と卯の方なら、寅年と卯年が実り待ちにあたります。空亡の2支は暦の上でとなり同士なので、年として巡ってくるときは2年つづきになります。

求めた2支は、二通りの場面で読みます。ひとつは、その支が生まれつき命式の中にある場合。もうひとつは、巡ってくる年や大運の支として、あとから訪れる場合です。推命ノートでは、命式のポイント欄にあなたの空亡2支を、大運の表では該当する支に印を示しています。同じ2支でも、居場所で読みが変わる — ここを飛ばして「空亡だから」と一括りにするのが、いちばん惜しい読み方です。

あなたの日柱から、空亡の2支を見てみませんか。
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空亡の時期の過ごし方

この期間は、広げるより、手放して整えるほうが流れに合うと読みます。畑にたとえるなら、実を穫る季節ではなく、土を休ませて次の作付けを考える季節です。何もしない時期という意味ではありません。やることの種類が、外向きから内向きへ入れ替わるだけです。

暮らしの動作に落とすと、こんな具合になります。使っていない契約やサブスクを一度ぜんぶ並べて減らす。読みかけの本と積んだ資料を片づける。連絡が絶えたままの関係を、無理に戻そうとしなくてよい時期と受け止める。住まいの補修や道具の点検のように、後回しにしてきた維持の作業を先に済ませる。終わりの日を決める片づけは、この時期にとくに進みます。

始めたいことがある場合も、無理に止める必要はありません。決め急がず、準備の側に重心を置くと、この時期の性質と噛み合います。企画なら告知より下調べ、住まいなら内見より条件の書き出し、学び直しなら申し込みより教材の絞り込み。同じ前進でも仕込み側に寄せておくと、実りの季節に入ってからの立ち上がりが軽くなります。

この時期に伸びやすい前進もあります。作りかけを終わらせる、覚えたことを人に教える、手順を書き残して誰かに渡せる形にする。新しく種を播く動きではなく、すでに手の中にあるものを仕上げる動きです。畑の比喩に戻せば、実を穫る作業ではなく、道具の手入れと畝の作り直しにあたります。

もうひとつ。手応えの薄さを、自分の力不足と結びつけないでください。数えにくいのは季節の性質で、あなたの手際の話ではない — そう切り分けられるだけでも、この期間はずっと歩きやすくなります。

こわがらせる記事を見たら

調べていると、「天中殺には何をしても実らない」「この2年は動くな」といった強い書き方に出会うことがあります。推命ノートは、こうした語り方を採用しません。理由は単純です。空亡は日柱の干支だけで機械的に決まるもので、日柱が同じであれば、月柱も年柱も歩んできた道も違う人が、みな同じ2支を持ちます。

ですから、空亡だけを取り出して吉凶を読むことはしません。その2支が命式のどの柱にあるか、命式に足りない気を運ぶ側なのか、同じ時期に巡っている大運がどんな五行なのか。見るところはいくつもあって、そのどれもが人によって違います。空亡は、判定ではなく手がかりのひとつです。

数の話もしておきます。年の支は12年でひと回りするので、空亡の2支が年として巡ってくるのは12年ごとに2年。長く生きればそのたび何度も通る、繰り返しの季節です。一生に一度の落とし穴ではありません。過ぎた実り待ちを思い出せる方は、そのとき何が減って何が残ったかを眺めてみてください。次の巡りの過ごし方は、その記憶がいちばん確かな手本になります。

推命ノートの命式では、空亡の2支が年として巡る次の時期を年で示しています。ただしその2年も、めぐる年の干支・大運・命式を重ねて読むもの。一語で年を決めないのが当サイトの立場です。

まずはご自分の日柱から、空亡の2支を確かめてみてください。命式のどの柱にその支があるか、次の巡りは何年か。そこまで見えると、天中殺という言葉は、こわい予告ではなく季節の目印として使えるようになります。

よくある質問

Q. 天中殺と空亡は同じものですか?

A. 同じ仕組みの別名です。呼び名が流派で分かれているだけで、日柱の干支が属する10日の並びから余る2支を取る、という求め方は共通です。推命ノートでは空亡と表記し、天中殺を別名として添えています。

Q. 空亡の時期に結婚や転職を決めてしまいました。

A. 空亡だけを取り出して、決めたことの良し悪しを読むことはしません。時期は、めぐる年の干支・巡っている大運・ご自分の命式を重ねて見るものです。すでに決めたのであれば、この期間の性質はむしろ味方になります。手を広げるより、決めた一つを丁寧に育てる時期 — 手続きや土台づくりを先に片づけておくと、あとの季節で伸びます。

Q. 自分の空亡はどこでわかりますか?

A. 日柱の干支が決まれば定まります。生年月日から日柱を出し、その日柱が属する10日の並びで余る2支を見ます。推命ノートの命式では、空亡の2支と、その支が年として巡る次の時期をあわせて表示しています。

読み終えたら、自分の命式で。
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