用語解説2026.07.31 更新

十干とは — 甲から癸まで、10の気の顔

さきに確かめる
無料・登録不要
年月日
目次閉じる ∧

命式表の上の段に並ぶ、甲・乙・丙という漢字。読み方もわからないまま画面を眺めた方のための記事です。この10種類の字を十干(じっかん)と呼びます。バラバラの10文字に見えて、じつは陰陽2つ×五行5つの掛け算というきれいな組み立てを持っています。ここを押さえると、命式の上段が一気に読めるようになります。

十干は「気の10の顔」

甲・乙・丙という字を、成績や契約書の「甲乙」で見覚えている方は多いはずです。順位や記号の印象が先に立ちますが、命式の中の十干は序列ではありません。もともとは暦の日を数えるための10の名前だったとされ、そこに陰陽五行 — 気の性質の分類 — が割り当てられています。つまり十干は、めぐる気の10とおりの顔です。

顔、と言うのは比喩ですが、実感には合います。同じ「木の気」でも、空へ張っていく木と、風にしなって伸びる草では、動き方がまるで違う。十干は、五行をさらに2つの働き方に割った解像度で、気の姿を描き分けています。この描き分けの仕組みが、次の掛け算です。

陰陽×五行で10

木・火・土・金・水の5つの気には、それぞれ陽と陰があります。陽の干は外へ大きく働く形、陰の干は内へ細やかに働く形。5つの気×2つの働き方で、ちょうど10 — これが十干の全員です。当サイトの命式で使っている自然のたとえとあわせて、一覧にします。

甲きのえ
「大樹」— 陽の木。空へ向かって、まっすぐ張っていく木です。
乙きのと
「草花」— 陰の木。風にしなりながら、隙間を縫って伸びます。
丙ひのえ
「太陽」— 陽の火。遍く照らし、場全体を明るくします。
丁ひのと
「ともしび」— 陰の火。近くを温め、手元を照らす火です。
戊つちのえ
「山の土」— 陽の土。動かずに受けとめる、大きな土です。
己つちのと
「田畑の土」— 陰の土。手をかけられて、作物を育てる土です。
庚かのえ
「鋼」— 陽の金。断ち切り、鍛えられて強くなる金です。
辛かのと
「宝石」— 陰の金。磨かれて光る、繊細な金です。
壬みずのえ
「大海」— 陽の水。大きく流れ、あらゆるものを呑み込む水です。
癸みずのと
「雨露」— 陰の水。静かに降りて、しみ込んでいく水です。

気をつけたいのは、陽が強くて陰が弱い、ではないことです。陽と陰は強弱ではなく、働きの向きです。太陽は場全体を照らせますが、手元の細工には向きません。ともしびは広間を照らせませんが、夜の手仕事を支えられます。10の顔に序列はなく、それぞれに持ち場がある — 十干を読むときの基本の構えです。

命式の中の十干

命式では、4本の柱それぞれの上段に十干が座ります。なかでも要になるのが、日柱の干 — 日主(にっしゅ)と呼ばれる、「わたし」を表す干です。命式読みは、まずこの日主がどの顔かを確かめるところから始まります。

ほかの柱の干は、日主との関係で読みます。日主から見てその干がどんな役回りか — これを10種の星で名づけたものがです。ですから同じ丙でも、日主が甲の人にとってと、癸の人にとってでは、まったく別の星になります。干は単体の意味を暗記するものではなく、関係の中で顔を変えるもの。さらに、決まった干どうしが引き合う干合という関係もあります(くわしくは関連記事へ)。

あなたの日干は、10の顔のどれでしょうか。
自分の命式で確かめる
無料・登録不要

たとえで読む効用

大樹や雨露というたとえは、飾りではありません。暮らしの選び方に翻訳できるのが、たとえの効用です。大樹なら、植え替えを繰り返すより、場所を決めて根を張ると力が出る。雨露なら、広い場を一度に潤そうとするより、目の前のひとりを静かに潤すほうが性に合う — たとえのまま考えると、自分に合う動き方の見当がつきます。

10種をぜんぶ覚える必要はありません。まずはご自分の日干をひとつ、たとえごと覚えて帰ってください。命式ツールで日柱の上段を確かめれば、あなたの顔がどれかはすぐにわかります。上段の残りの干も、日主との関係で少しずつ読めるようになっていきます。

よくある質問

Q. 十干と十二支はどう違うのですか?

A. 十干は柱の上段に並ぶ天の気、十二支は下段に並ぶ地の気で、季節や時間と結びついています。両者を組み合わせた60通りが干支です。十二支の側は、関連記事「十二支とは」でまとめて解説しています。

Q. 自分の十干はどこを見ればわかりますか?

A. 命式の日柱 — 生まれた日の柱 — の上段が、あなたの日干(日主)です。推命ノートの命式ツールなら、生年月日を入れるだけで、たとえと読みがなつきで表示されます。

Q. 陽の干のほうが運が強いのですか?

A. いいえ。陰陽は強弱の等級ではなく、働き方の向きです。外へ大きく動く場面で活きるのが陽、内で細やかに効かせる場面で活きるのが陰 — どちらが有利かは場面のほうが決めます。

読み終えたら、自分の命式で。
万年暦準拠・節入りは分単位で計算。無料・登録不要です。
命式をつくる